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梅の効能研究と実績

紀州ほそ川では梅の効能を明らかにするために様々な取り組みを行ってきました。
その結果、梅が人や動物を健康にする予想以上の働きをすることがわかりました。

梅イメージ

和歌山県立医科大学伝統医学研究部門機能性医薬食品探索講座への参加

紀州ほそ川では、いち早く和歌山県立医科大学伝統医学研究部門機能性医薬食品探索講座に参加し、伝統食でもある梅の機能性を明らかにする取り組みを行ってきました。
昔から梅干があればご飯が傷みにくい(日の丸弁当)と言われていたことから、梅干しが食中毒菌である「黄色ブドウ球菌(MRSA)」や「病原性大腸菌(O-157)」といった食中毒菌の増殖を抑制する作用(制菌作用)があり、食中毒を予防する働きがあることが医学的に明らかになりました。
また、梅の中にピロリ菌の活性を阻害する物質が含まれていることをつきとめました。ピロリ菌は40歳以上の日本人の7割が感染しているといわれ、胃炎を引き起こし、胃がんと密接な関係があることが分かっています。
その他、梅にインフルエンザウイルスの増殖を抑制する物質が存在することや糖尿病や肥満に関係する酵素を阻害する効果があるなどメディアにも取り上げられ話題になりました。
和歌山県立医科大学と関連研究グループが明らかにした梅の効能研究の成果は以下のとおりです。

胃がん予防

梅に含まれるリグナン類(梅リグナン)が胃に障害を及ぼすヘリコバクターピロリ菌の運動能力を阻害または抑制する。

糖尿病の予防

梅に含まれる成分が血糖値の上昇、肥満等に関連づけられる酵素(α-グルコシダーゼ)の働きを効果的に阻害する。

インフルエンザの予防

梅リグナンから発見された新規成分エポキシリオニレシノールがインフルエンザウィルスの増殖を抑制する。

動脈硬化の予防と改善

アンギオテンシンⅡ(血管を収縮させるように働くホルモン)を調整し血圧の上昇を抑える。

アルコール性胃潰瘍形成の抑制

ラットの胃潰瘍形成前後に梅エキスを投与すると形成が抑えられる、また治癒効果がある。

畜産:水産分野への応用をとおして

ニワトリが教えてくれたこと

「人によいものは動物にもよいはず」。夏バテした鶏に梅酢を飲ませるという言い伝えをヒントに自社で開発した梅酢エキスを鶏に与えることを思いつき、和歌山県養鶏研究所と研究を開始しました。
効果は予想以上で、鶏の免疫力が向上し、卵や鶏肉の品質の良さは評判となりました。『ほそ川』は養鶏業者に梅酢エキスをメーカーとして提供するのみでなく和歌山県や生産業者と協力しながら「紀州うめどり・うめたまご」ブランド化事業を推し進めました。
「紀州うめどり」は2008年食肉産業展地鶏銘柄鶏食味コンテストにおいて食味・食感・見た目の全部門で1位を獲得し、各地の有名地鶏を抑えて最優秀賞を受賞しました。
普通のブロイラーが梅酢エキスを与えるだけで、地鶏よりもおいしい鶏になりました。
どうしてこのようなことがおこったのでしょうか?美味しいことは健康であること、鶏も人間と体の基本的仕組みはいっしょです。生き物が本来持っている健康になろうとする力が発揮されたからに他なりません。

梅の血液サラサラ効果が組織を変化させる

「紀州梅そだち」を与えて育てると天然のものと同様に黒い筋があらわれません。これは血管や血液の状態が健康で、血流による酸素や栄養分の運搬、活性酸素の除去がスムーズに行われていると考えます。
養殖魚でみられる肉質の変化は、ブロイラーの肉質をも変えます。血液は組織が健全に発達するために必要な酸素や栄養を運び、老廃物や毒素を運び去ります。
ブロイラーや養殖魚の肉質の変化も「紀州梅そだち」によって血流が改善され、組織に充分な栄養や酸素がいきわっているためと考えています。

血管と赤血球の模式図

代謝がスムーズになり栄養が効果的に使われる

代謝しきれないカロリーは脂肪として体に蓄積されます。
脂肪の一部は血管壁にも付着し、血流が悪くなります。
「紀州梅そだち」を与えたブロイラーの内臓や骨は非常に色が良く、きれいだと言われます。
採卵鶏でも肝臓の脂肪細胞の面積を調べたところ脂肪の量が少なく、代謝がスムーズに行われていることを示しています。
「梅酢エキス」に含まれるクエン酸などの有機酸やポリフェノールによって代謝や血流がスムーズに行われることにより健康な筋肉や内臓が形成されると考えています。

脂が酸化しにくい

「梅酢エキス」で育った肉の特徴の一つは「脂のおいしさ」にあります。
くさみがなくさらっとした脂、この要因のひとつとして脂質が酸化されにくいことがあげられます。
時間が経過すると、脂が酸化されて過酸化脂質となり、脂臭さとしつこさの原因になります。
「梅酢エキス」を与えた鶏は時間をおいてもくさくならず、ガラでだしをとってもくさみのない上品なスープが出来上がります。
マダイの刺身も3日以上たっても脂がくさくならず、過酸化脂質の値を計測しても鶏と同じ傾向がでます。
梅に含まれるポリフェノールが脂の酸化を抑えていると考えています。
酸化グラフ

免疫力が向上する

最近ではつぎつぎと新型のウイルスが現れ、ワクチンの投与のみでは遅すぎたり対処しきれないものがあります。また体が弱り抵抗力が落ちていると感染率が高まります。
「紀州梅そだち」はまず体を健康にし、体に本来備わっている抵抗力を高めます。
これまでの試験から「紀州梅そだち」を与えると免疫の一次応答、二次応答ともに高まることがわかります。
白血球イメージ

白血球の攻撃力が増加

体内に病原菌などの異物が侵入すると、一次防衛としてマクロファージが病原菌を捕食します。これを自然免疫応答と呼びます。
紀州梅育ちを与えるとマクロファージの能力が高まることがわかりました。
マクロファージ活動イメージ

リンパ球も活性化

体内に病原菌などの異物が侵入すると、刺激を受けたリンパ球が活性化(幼若化)します。(自然免疫)
活性化したリンパ球は成熟しながら増殖して病原菌を直接攻撃するリンパ球や抗体をつくってミサイルのように病原菌を攻撃するリンパ球を刺激して活性化します。
このように体には、様々な免疫系統があり2重にも3重にも防御しています。
紀州梅育ちを与えている場合のリンパ球への影響も調べました。

リンパ球活性化イメージ

体内に侵入した病原菌にみたてた刺激を与えると、「紀州梅そだち」を与えている鶏の方が刺激の強さを変えてもリンパ球の活性化の度合いが高いことがわかりました。
これは、病原菌に対して速やかに反応し、防御態勢をつくることができることを示しています。

液性免疫力も向上

体内に一度侵入した病原菌などの異物が再び侵入すると、刺激を受けたリンパ球が抗体を生産して防御します。(獲得免疫)
紀州梅育ちを与えると獲得免疫力も高まることがわかりました。
マクロファージによる細胞性免疫は病原菌を直接攻撃する「白兵戦」に相当します。リンパ球によってつくられる抗体による防御:液性免疫は「ミサイル攻撃」に相当します。
「紀州梅そだち」を与えたニワトリでは抗体をつくる能力が高くなっていることがわかりました。つまり、細胞性免疫、液性免疫ともに向上し、総合的に免疫能力が高くなっていることが分かりました。

生物が持っている力を引き出す

「梅酢エキス」によって抗病性が向上する効果は和歌山県水産試験場のマダイによる試験でも確認されました。
このように梅には人や動物が健康を維持するために本来備わっている力を引きだす働きがあることがわかりました。

紀州ほそ川は今後も様々な取り組みをとおして、梅の効能研究に関わり、またその成果を生かした製品開発を続けます。