近年、はちみつなどで調味された調味梅干しが開発され、その食べやすさから梅干が食卓へ上がる事も多くなり、紀州みなべの梅干し産業も発展してまいりました。
しかし、その調味梅干しを製造する工程において、調味残液の処理や工場排水などの様々な環境問題も出て参りました。紀州ほそ川は自然を守る為、環境に配慮した梅干し加工技術の開発に取り組んできました。
梅干の製造・加工工程において発生する調味廃液や梅干の種と言った廃棄物を出来るだけ出さない様にし、廃棄物を資源として捉え、資源を循環させることにより廃棄物ゼロを目指す取り組みです。
紀州ほそ川の独自性法として、梅干しから梅本来の風味を逃さずに減塩する果汁還元法を開発しました。この製法は、梅調味液に含まれる梅の風味の素である果汁を還元する技術です。結果として、調味廃液は『ゼロ』となり資源を循環させる事に貢献を果たしています。
梅の洗浄水など工場から出る排水は、排水処理施設できれいに浄化して放流します。また処理される際に発生する汚泥は、植物の生育に必要な窒素分を多く含むことから肥料化の研究に取り組み、2006年に肥料として登録を行いました。
大自然の恩恵である梅から産出される全ては価値ある資源。今後も日本一の紀州南高梅の生産地である『紀州みなべ』の美しい自然環境を守り、梅干し加工における環境対策にも視野を広げて参ります。