筆者は子供ができなかった夫婦であるため、会社に子連れ出勤して働く同僚を見ていると「頑張っていて偉いなあ」などという大変お気楽な感想を抱いています。
会社だけでなく、友人知人親戚兄弟の子育て話、特に幼児の子育て話に至っては、未体験の身からすると壮絶の一言です。
春日局のように七色飯とまではいわずとも、頑張って用意した食事に手を付けてもらえず、そのご飯をひっくり返し、さらに遊びだされる毎日だというエピソードが「まだまし」な話といわれた際には、「賽の河原の石積みみたいな話がまだマシ?正気??」とうっかり口からろくでもない感想が滑りおちかけたほど。
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悟りを開く修行僧もかくやという日々を過ごす同僚は、学校や保育園事情などで子連れ出勤をすることも多々あります。
そして、仕事中といえど、「おとなしく良い子にしていてね」がすんなり通じる子供ばかりではありません。
楽しいことがあれば大きな声を出すし、突然お父さんやお母さんに甘えたくなって電話中・会議中の親御さんに元気よく話しかけたり、一人ではおとなしくしていたのに他にも子供がいたら大はしゃぎしたり、なんか自分でもよくわからないけど不機嫌なので叫んでみたり泣いてみたりetc。
よほどの人間何回目?くらいのおとなしい、もしくはただただおとなしくするのが好きな性格のお子さんでもない限り、子連れで仕事というのは、大人だけの環境で仕事することの10倍気力体力を使うようです。
一番多く見かけるのは、ほかの同僚の子供の声は「ふふふ、元気だね~」と笑っていた同僚が、次の瞬間に自分の子供に「静かにしなさい!」と、どの保護者も例外なく同じ反応するという現象です。
同じ音量でも、自分の責任監督下にあることどもの声のみ大きめに聞こえるという状態に陥っている同僚に「まあまあ落ち着いて」とでも言おうものなら「おまえサバンナでも同じこと言えんの?」と筆者も怒られかねない勢いです。
子供の立場からしてみれば「なんでこんなことで怒られなきゃならんのだ」という心持でしょうけれど、お家では見られない親の顔を見て、その場所でのルールを学ぶという社会勉強をし、大人の階段を上っていくのかもしれませんね。
そして、親御さんは今日も「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい。だけど会社では頼むから大人しくしていてほしい」という矛盾した思いを抱えてバリバリ仕事をこなすのでしょう。