たつや社長(次男)とようすけCFO(長男)は、性格も得意分野もまったく違うご兄弟です。ご本人達も「得意分野が被らないから、そういう意味では兄弟喧嘩にならない」というくらいで、お顔立ちが似ているだけにその違いに社員たちも驚きました。
そんなお二人について、ある日ふと気づいたのですが、判断を下す際にお二人とも決まって口に出す言葉があります。
「その方法だとお客様も自分たちも誰も幸せにならない」
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「お客様も会社もみんなが幸せになる方法はこれじゃないだろうか」
この言葉が出たのは、お二人が一緒にいない場面で、さらにまったく内容が違う仕事の相談をした時のことです。
お二人とも、利益の計算よりもさきに「みんなが幸せになれる、または近づける方法」を口にされます。
今回、ようすけCFOにこのことについて尋ねてみました。
「お二人の判断・決断基準が【みんなの幸せ】なのは、亡くなられた清会長の考えというか、細川家の基本的な考え方なんでしょうか?」と。
ようすけCFOは少し驚いた顔をして「言われるまで気づかなかったけど、たぶんそうですね。もう一人いる妹もおそらく同じことを言うと思う」と答えてくださった後、こんなお話を聞かせてくださいました。
ほそ川創業100年の歴史の中で、かなり初期から働いてくれている70代の女性が「ずっと働いていたい。まだまだ頑張る!」と言ってくれている。
これは経営陣としてすごく幸せなことで、今現在 仕事にかかわってくれている人たちがこの先も「仕事が楽しい」と働いてもらえる経営を心掛けたい。
そうすることで良い商品を生み出してお届けできるし、結果的にそれがお客様の幸せにもつながると思う。
目先の利益を優先してお客様や社員に対して後ろ暗いことをすれば、一時的にお金が手に入ったとしても、長期的に見て誰も幸せになれない。
そんな人生は絶対に楽しくないから、弟も自分もこれからもただの損益で判断はしないし、できないと思う。
なるほど…とうなずきながら聞きつつ、いつもたつや社長が「面白いこと、楽しいこと、わくわくすること教えて!」とお声がけくださることを思い出しました。
たつや社長はいつも楽しそうに仕事をしていて、「楽しくないときや仕事がうまくいかないときはちゃんと言ってね。隠されると僕はエスパーじゃないからわからないし、みんなでどうすればいいかチームで考えよう!」と話しかけてくださいます。
伝える際に使う言葉や表現は違うけれども、やっぱりお二人の基本的な根っこにある考え方は同じで、今後もその経営理念はぶれることも対立することもなく続いていくのでしょう。
お話を聞いていて、私自身「まだまだ働けますよ~!」と楽しく70代でもバリバリ働いているかも?という未来が想像できました。
そんな風に思える会社にいる私は、すでに幸せ者なのかもしれませんね。